6月下旬、
友人に誘われて酒田の山奥へジュンサイ採りに行きました。
沼に浮かべた箱舟に乗り、
手で漕ぎながら水面に浮かんだ葉の近くに箱船を寄せ、
つるつる、ぷりぷりしたジュンサイを手作業で一粒ずつ採っていきます。
朝の静寂の中に
鳥のさえずりを聞きながら行う作業は、
時間の流れがゆったりと緩やかに感じられました。
ジュンサイを詳しく知らなかった私にとっては、
ジュンサイが目新しく、
箱舟に乗って採るという体験が
とても新鮮でした。
ジュンサイは水のきれいな沼地に自生しています。
村山市では在来作物として江戸時代から採取され、
地域の方々の徹底した水質管理により現代まで守られてきました。
こうしたジュンサイのような在来作物が、
県内には約180種あると言われています。
一つひとつの作物が特徴的で、その歴史も興味深いものです。
先日、町内の割烹はらださんを訪れた際に、
ジュンサイを使った料理が出てきました。
手間暇をかけて栽培、収穫されることを知っていると、
このおいしさもひとしおです。
このように、その時期にその土地ならではの伝統的な食材が今も残っていて、
家庭やお店などで当たり前のようにその味を楽しめることは、庄内に来てよかったと思える瞬間ですね。